一夜限りの一期一会

柄じゃない日記を書く。

昨日の仕事帰り、いつもの電車に乗っていた。なんとなく周りを見てると…なんか見覚えあるような顔。

…………あれ。Sか?5年以上前に北海道に引っ越したと聞いたが。顔に特徴があるSは、一目でわかった。女性で化粧をしてるから仮面かぶってる。という可能性も否めないが、そんときは人違いだったでスイマセンでしたすればいい…意を決して話しかけてみた。

やっぱしSだった。相当驚いてた。いや、こっちも驚きだよ。

Sとは5年ちょっと前まで交流があった。付き合ってたとかそういうのではない。しかし、最後のほうはケンカのようなことをして、疎遠になったきりだった。連絡もつかなくなった。

とりあえず飯に行った。

Sは相変わらず看護師をしていた。Sはどんな人?と言うと、姉御肌という言葉がピッタリな人だった。事情が事情で18歳から一人暮らしをしてて、ずっと一人で生計を立てていた。素直で気性が強い性格で、物事をハッキリ言う。何故関わりがあったかといえば、環境や恋愛、その他の価値観がかなり似ていたからだ。俺自身、いろいろとズレてるのは承知してるし、それを理解してくれる人はかなり少数だろうと思ってたから。

後、当時は正直病んでいたと思う。今は病んでないのか?と言われると疑問だが、少なくとも前よりはマシだと思っている。その時、引っ張ってくれたって言えばいいのか。よく励ましてくれてたお方とも言える。

それも大きいけどさ、5年以上振りに会って、互いにそれなりに成長はしたと思うんだけど唯一変わらないのは、やはり喋り方だ。

会話の波長が合うって言えばいいのかな?

上記で書いたとおり、物事を言う時は鋭利の刃物でスパッと切るように言い放つ。だが、普段は

超ゆる〜〜〜い会話を繰り出す。互いがボケ&ツッコミ役。それは5年経っても変わらなかった。

ああ、やっぱり話しをしていて楽しいな。ちなみに、今も北海道に住んでるんだと。

俺「ん〜…連絡先交換しとくか」

S「………いや、やめておくよ。」

俺「!!」

いろんな言葉が、俺の脳内に渋滞を起こす。ここで食い下がるのは簡単。しかし、しつこく聞いて連絡先をゲットした所で、また疎遠になるのがオチ。Sの性格上、自分の言葉を曲げることはほとんどない。相手は北海道に住んでて、たまたま用事でこっちに来てただけだから、おそらく2度と会うことはない。

……ポジティブに解釈すれば、一夜限りの会話を楽しもうってことか?そう捉えるべきか…?

S「…あの時、私も正直病んでいたと思う。でもそれはもう、過去の事。互いに前を向いて歩きだした。違う?」

俺「そうだな。」

S「○○(俺の名前)が嫌いなワケではない。ただ、過去にしがまれたくない。」

俺「…わかった。愚問だったな。」

言葉を額面通りに受け取っていいかは疑問だけどね。嘘つけない性格だったから、どうかなぁ。

3時間くらい話したかな。5年以上の時を経て奇跡の再開をしたのに、別れはあっけないものだ。

「生きるぞ!」

「死ぬなよ!」

「生き抜くぞ!変態!」

「じゃあね、○○!」←最後の言葉

その日は、頭がよくわからなくなって寝付けなかった。

翌朝。通勤中、体が変。なんつうか、ずっと足が震える。寝不足が原因か…?

なんとか顔には出さずにポーカーフェイス気取っていたんだけどさ。

今朝は朝礼があったんだが、正直あんまり話は聞いてなかった。

「生きるぞ!」

「死ぬなよ!」

「生き抜くぞ!変態!」

「じゃあね、○○!」

この言葉がずっと頭に響く。と、同時にブワっと涙が出てきて焦る

なんとか抑えて…今日は運良く、一人での業務が少しある。しかも朝一で。朝礼終わって、ダッシュで「業務行ってきます!」と行って、だいぶ離れたトイレに籠る。

少し泣いたよね。メンタル弱いよなぁ俺。というか、人の言葉や言動で泣いたなんていつぶりだろ。つーか、思い返すと失恋…?したときは大抵泣いてるな俺。これは失恋なのかわからんが。

…けどよ。「死ぬなよ!」「生き抜くぞ!」と言われて、ウジウジもしていられん。それじゃあSにも顔向けができない。

ずっと籠ってるワケにもいかないので、5分ほどでトイレから脱出。少しスッキリした。皮肉にも、今日の業務は我ながら完璧にこなせたと思う。

偶然会えてよかったんだろうか? 悪かったんだろうか?