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水鳥と、いろ

その子、

雅やかなもの好むけれど趣味じゃ、ない。

色と色をバラバラに散りばめられたパレットのように眺めていて

それは着物であることも

毬や鶴の柄であることも 無視している。

デザインが好みでないのかしら、

と思ったある日に

季節の蓬莱で巡ってきた水辺の水鳥に

向かっていって

「カウ、カウ…」と発音した。

水鳥は避けて少し離れて眺めて

「クゥ」と

ひとつ声を彼女に沿わせて鳴いて立ち去った。

そういえば、水鳥がそう鳴いてたんだわと気づいたあとで

彼女の声を初めて聞いたと思った。

その子の和紙にはそれから真ん丸くほどよく肥えた水鳥の絵が描かれていた、らしい。

西 隣の新疆区 可憐