三日間東京に

スカートの中にゴーシュがいる。ゴーシュはまだこねこなのでまりみたくほんのりとあったかい。私は足を伸ばして座っている。

二泊三日で東京に行ってきた後、ゴーシュは前よりも甘えん坊になって帰って来た。体を押しつけて、ひざに乗ったまま眠ってしまった。ケージの外に出して遊ばしておいても、姿がみえなくなるとニャーンと鳴いて呼ぶ。机に向かっていると手伝いにやってきて、キーボードの上でかちゃかちゃやっているので、ケージから赤いチェックの布を出してきてキーボードの横に置いてやった。そしたら今度は肩に乗ってきた。

あーあーあー

ついに肩に乗るようになったと思って、かわいいなぁ、ゴーシュは肩に乗らない子、と思っていたけど、やっぱり乗るんだ、とほめてやる。

ゴーシュは友人の家に預かってもらっている間、専用のケージをもらって、普段使っているベッドやトイレも一緒に持って行った。友人宅にはご老体のメス猫が二匹いて、一匹はきれいな女王様のようなねこで、もう一匹は顔はきれいではないけれどわがままの欠片もないねこだった。友人はこれまで何十匹も猫をかったことがあってゴーシュのこともかわいがってくれて家にはクーラーがあって送られてくる画像は毎日楽しそうだった。迎えに行った時、ゴーシュは三日間でずいぶん大きくなっていて、たにんみたいな顔をしていた。まぶたが重く口がへの字で、愛そが消えていた。移動用バッグの中で一言も鳴かないで、お利口そうで、賢い人のところでかわれると賢くなるのかしら、ふーんと思っていたが、自分の家に帰ってくると、ちょっとだけ周りのにおいをかいで、気に入っていた爪とぎの上に乗っかって、バリバリやっていた。それから、爪とぎの上に乗ったまま私を見てニャーンと鳴き、頭をすりよせて来た。

私が横になると、ゴーシュは爪とぎを降りてやってきて、ゴロゴロのどを鳴らしながら体を預けてきた。

そのとき、いなかった三日間、ゴーシュは寂しかったのだと思った。

ゴーシュは子猫の集団で育った後、生後二カ月でうちに来た。それからは一匹、日中は主に私と二人でいる。物おじしないので、友人宅に預けに行ったときも、着いた途端にごはんを食べ始めて、隠れることもなく、私の見ている前でみるみるおちついていった。どこ行っても平気なんだ。

ゴーシュは友人宅にいる間、それほどうちのことを思い出さなかったかもしれない。まだこねこだ。しかもどんな環境でも馴染める性格だ。

ゴーシュは、もう帰ってこないと思っていたのかもしれない。

ゴーシュはかわいい。

ワードをしている最中ゴーシュがキーボードに乗って来て文字を書いたり、宛名ラベルを勝手に作りだしたりしている。偶然だけど、ゴーシュが打った文字列の中に、myというのがあった。

私の、ねこ。

自分の、にんげん。

お互い所有物だと思い思われているのくらいで、私とゴーシュ愛情は成り立っているのかもしれない。

----------8myt

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